明石観光PR隊長として活躍するパパたこ
「パパたこ」をご存じですか? 鉢巻きとネクタイ姿がりりしい兵庫県明石市のマスコットキャラクターです。観光PRのイベントでは子どもたちに引っ張りだこ。でも、実は「失職」を乗り越え、3年前、市に「再就職」した苦労人、いや苦労ダコなんです。
パパたこは2000年に生まれた。「ゆるキャラブーム」の火付け役とされる滋賀県彦根市のキャラクター「ひこにゃん」が登場したのは06年で、6年も先輩だ。
もともとは「たこフェリー」の愛称で知られた明石淡路フェリーのマスコットだった。同社の「熱血営業マン」で、妻と両親、4匹の子どもの「3世代8匹家族の大黒柱」という設定。船腹に描かれ、子ども向けのシールやぬいぐるみにもなり、集客に活躍した。
明石淡路フェリーは00年、明石市と淡路市岩屋を結んでいた民間航路を引き継ぐ形で誕生した第三セクター。1998年に明石海峡大橋が開通し、トラックなどの物流需要が激減する中、同社は地域の子どもたちに目を向けた。
「児童に愛される乗り物になれば、家族での利用も増えると考えた」と元社長の大麻(おおあさ)一秀さん(63)は振り返る。
イラストレーター・ゆざわとも…