8月に青森県東北町の町立中学校1年の男子生徒(当時12)が自殺した問題で、生徒が生前、家族に同級生からの嫌がらせを訴えた上で「死にたい」と話していたのを、学校側が把握していたことが、関係者への取材でわかった。学校は嫌がらせは確認できないとして、同級生への指導はしていなかった。
特集:いじめられている君へ
遺族らによると、男子生徒は席替えで席が近くなった同級生から嫌がらせを受けていると話し、悩んでいたという。母親は6月13日に学校を訪れ、生徒が「死にたい」「(自分が)死んじゃえばいい」と漏らしていることを担任に伝えた。その上で席替えを求めたが、担任は「定期テストが終わるまではできない」と説明し、同30日まで席替えをしなかった。
学校は6月中に生徒と同級生の双方から事情を聴いたが、具体的なトラブルは把握できないとして同級生への注意などはしなかった。町教育委員会には、席替えをしたことなどを理由に、解決済みのトラブルとして報告していたという。
漆戸隆治・町教育長は「町いじめ防止対策審議会が事実関係を調査しており、内容はお話しできない」とコメントしている。(榎本瑞希)