爆発によるとみられる破片が、6車線ある23丁目通りいっぱいに広がり、警察や消防が現場付近を調べていた=18日午前0時25分、米ニューヨーク・マンハッタン、飯塚晋一撮影
米ニューヨーク市マンハッタンのチェルシー地区で17日午後8時半(日本時間18日午前9時半)ごろ、爆発があり、少なくとも29人が負傷した。現時点で、国際テロ組織との関連を示す情報はないが、市当局は「意図的」な爆発事件との見方を示している。オバマ大統領や安倍晋三首相ら、各国首脳が国連総会に出席するのを目前に控え、緊張が高まっている。
NY・マンハッタンで爆発、29人負傷
市警などによると、爆発は23丁目の6番街付近の通りで起きた。道路脇に置かれた大型のごみ箱の近くに爆発物が仕掛けられた可能性があるという。
米CNNは、捜査員らが周辺を捜索する中で、約300メートル離れた通りで新たに不審物が見つかったと報じた。不審物は、圧力鍋からワイヤが出ており、携帯電話のようなものがテープで固定されているという。中身など詳細は不明だが、不特定多数の市民を狙い、複数の爆発物を仕掛けたテロの可能性もある。
デブラシオ市長は17日深夜、現場を訪れ「意図的な行為とみられる。現時点ではテロ組織との関連は確認されていない」と指摘。18日朝、ニューヨーク州のクオモ知事は「本質的にはテロ行為だ」との見方を示した。
17日午前には同市に隣接するニュージャージー州のシーサイドパークで、予定されたマラソン大会のコースの路上で、ごみ箱が爆発した。レース直前で負傷者はいなかったが、大会は中止された。二つの爆発の関連性について当局が捜査している。
国連本部では国連総会が13日に始まり、19日からは各国の首脳らが出席する会議が予定される。主要駅や繁華街などでは厳重な警備態勢が敷かれていた。安倍首相はニューヨークに出発する前の18日夕、羽田空港で記者団に「邦人の被害について、今のところ情報はない。しっかりと情報収集に努めたい」と語った。(ニューヨーク=金成隆一)