国論を二分した安全保障関連法の成立から、19日で1年になる。集団的自衛権の行使を認める法制が整備され、国連平和維持活動(PKO)での自衛隊の活動範囲も広がった。政府は着々と本格運用に向けた準備を進めるが、国民に説明を続けて理解を広げるとした「約束」は置き去りのままだ。
特集:安全保障関連法
「北朝鮮の核実験の脅威は新たな段階に入った」。18日夕、羽田空港。国連総会出席を控えた安倍晋三首相は記者団に語り、安全保障環境が厳しさを増しているとの認識を強調した。
その6日前、首相は防衛省にいた。自衛隊幹部約150人を前に、「制度は整った。これらを血の通ったものとする。今こそ実行の時です」と訓示した。
この1年、政府が着々と進めてきた準備の先頭を行くのが南スーダンPKO。NGO職員らが襲われた際に助けに行く「駆けつけ警護」などが柱で、14日から陸上自衛隊の部隊が実動訓練に入った。河野克俊統合幕僚長は15日の記者会見で「武器の使用に誤りなきよう徹底する」と語った。
新任務の訓練は日米共同での米…