安保法の成立から1年が経ち、国会前に集まり反対を訴える人たち=19日午後3時28分、東京都千代田区、関田航撮影
安全保障関連法の成立から1年となった19日、法に反対する市民団体などが各地で抗議デモを実施した。
演劇人らがサイレントスタンディング 安保法成立1年
東京・国会前では、雨の中、約2万3千人(主催者発表)が集まった。「政府は説明責任を果たすことなく、自衛隊のリスクの議論も不十分なまま、駆けつけ警護の訓練を始めた」。先月解散した学生団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバーで大学院生の林田光弘さん(24)はマイクを握り、こう批判した。駆けつけ警護は南スーダンPKO(国連平和維持活動)にあたる部隊に、新任務として付与される可能性がある。
登壇した哲学者の西谷修・立教大特任教授は「今の国会は市民の声をあまり理解していない。国会に圧力をかけ、政治を変えよう」などと呼びかけた。
デモに参加した東京都江戸川区の自営業、米沢秀明さん(60)は「自衛隊員が犠牲になるかもしれないのに、国民はどこかひとごとのように思っているのでは」。千葉県八千代市の無職高橋美代子さん(83)は安保法を巡る講演会などにも足を運んでいるという。「法律を学び、考え方が違う知人や関心のない友人にもこの問題を伝えたい」と話した。大阪や名古屋、長崎、大分などでも集会があった。(佐藤恵子)