本を持つ著者の村橋ゴローさんと妻利恵さん=東京都品川区、角野貴之撮影
不妊治療を経験した東京都のルポライター村橋ゴローさん(44)が、自身の体験とともに、男性101人を取材し、「俺たち妊活部」(主婦の友社)で紹介しています。不妊治療について男性が体験や思いを発信する場はまだ少なく、男性からの反響が多いといいます。
村橋さんは39歳から2年間、妻で会社員の利恵さん(43)と不妊治療に取り組んだ。32歳で結婚。当時は親になる自信が持てなかった。利恵さんは33歳で管理職に昇進。2人とも忙しく、「妊娠」や「子ども」の話題を避けるようになった。
39歳を迎える年始め。村橋さんはネットで「40歳の自然妊娠確率5%」というデータを知った。「えっ? うそでしょ。ギリギリだ」。後悔と同時に妻の顔が浮かんだ。きちんと話をしなかった負い目と焦りが気持ちを支配するようになった。
数日後、沖縄料理店で思い切って伝えた。「お互い毎日忙しくて、ごまかしてきたことあるよね。オレ、真剣に子作りに向き合おうと思う」。利恵さんは「ありがとう」と涙をこぼした。心の中ではもう一言。「もう少し早く言って欲しかった」
治療を開始。タイミング法、人…