阪神園芸の従業員によって整備されるグラウンド=阪神甲子園球場
甲子園で負けた高校球児が、涙を流しながら砂を持って帰る姿に毎年胸を締めつけられそうになります。昔は土で、袋いっぱいに持って帰っていた。それが今は、さらさら手のひらから砂がこぼれ落ちる。これまた胸が詰まります。甲子園の土は、いつから砂になったのでしょう?(宝塚市、会社員女性、50歳)
「全然変わってません。昔から、ほぼ同じ性質の土を継ぎ足しています」
阪神甲子園球場のグラウンド整備の責任者で、阪神園芸(西宮市)に28年勤める金沢健児さん(49)にたずねると、意外な答えが返ってきました。
グラウンドの土は、水はけのいい砂と、保水力のある土をブレンドして作っているそうです。産地は様々で、今は京都の砂と鹿児島の土を必要な時に足しているといいます。
「継ぎ足しても性質が変わらないよう注意しています。ぬか床と同じですね」
では、土が砂に変わったように見えるのは、全くの勘違い?
「そうとも言い切れません」と金沢さん。
晴れて日差しが強い日だと、試…