熊本地震で九州電力の黒川第一発電所(熊本県南阿蘇村)の貯水槽が壊れ、土砂崩れで住民2人が死亡した事故をめぐり、被害を受けた住民に「借地料」名目で九電が金銭支払いを打診していることがわかった。
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この事故は4月16日の熊本地震本震で発生した。貯水槽が崩壊し、付近で起きた土砂崩れとともに推定約1万トンの水が崖を下り、民家9戸が被災。60代の夫婦が亡くなった。
九電広報によると、九電は被害地域の住民に対し、復旧工事を進める上での借地料として金銭を支払う交渉をしている。提示金額などの条件は世帯により異なるという。金額や交渉世帯数は明らかにしていない。
被害に遭い、仮設住宅で暮らす男性会社員によると、9月上旬に九電社員が訪ねてきて200万円の支払いを打診。「補償とは別」と説明し、10月に正式な金額を示すと伝えてきた。男性が他の被災住民に聞くと、提示金額は敷地面積や被害程度などに応じて100万円だったり200万円だったりしたという。
男性は「根拠や名目が不明瞭な…