横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が相次いで中毒死した事件で、被害者に投与された点滴が4階のナースステーションに搬入された17日は、看護師3人の日勤態勢だったことが神奈川県警への取材でわかった。3連休の初日で普段よりスタッフの数が少なく、県警は人目に付きにくい日を狙って何者かが点滴に消毒液を混入した疑いがあるとみて調べている。
県警によると、連休中に投与する点滴は17日午前、1階の薬剤部で施錠された保管場所から出された後、職員2人が投与対象の患者名や使用日を書いたラベルなどをチェック。段ボール箱に入れて4階のナースステーションに運ばれ、使用前は箱から出して机の上などに置かれていたという。
連休中は、朝から夕方まで看護師3人が勤務。夜間は別の看護師2人が当直として勤務していた。18日午前に新たな点滴を投与された西川惣蔵(そうぞう)さん(88)は、同日午後7時に死亡が確認された。また、19日午後10時に点滴の投与を受けた八巻(やまき)信雄さん(88)は、20日午前5時前に死亡が確認された。その後、段ボール箱などに残されていた約50個を県警が調べたところ、10個前後のゴム栓保護フィルムに注射針を刺したような穴があったという。