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子育てのイライラをパチリと撮って笑いに変える――。静岡県在住のフリーカメラマン、望月やすこさん(44)が9歳と5歳の息子の思いがけない行動や駄々をこねる様子を撮影した写真をフェイスブックに投稿している。「私もある」「懐かしい」といった反応のほか、長男が母への感謝の言葉を書いたノートの写真には「泣ける」などのコメントが寄せられた。
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望月さんが子育て写真をフェイスブックに投稿したきっかけは、次男が3歳のとき、毎日のように保育園に行くのを嫌がったことだ。服も着ないで泣きじゃくる様子をアップしたところ、共感のコメントが届き気持ちが楽になったという。その後も子どもたちの日常の一コマを投稿し続けてこれまでに200枚近くになった。
「パジャマで強行登園→逃亡→先生が捕獲」=望月やすこ撮影
「パジャマで強行登園→逃亡→先生が捕獲」というタイトルの写真は、保育園の教室から逃げ出した5歳の次男を先生が抱きかかえて連れ戻している瞬間だ。保育園に行くのを嫌がり、着替えもせず靴も履かない次男を車に乗せて無理やり教室に入れたものの、すきを見て逃げ出した。
「3歳児。健診で逃亡」=望月やすこ撮影
診察室から「逃走」したこともある。次男が3歳のときの健康診断。服を脱がされて体重計に乗った数秒後、注射を打たれると思ったのか、突然「チックンいやー」と言ってパンツ一枚のままで駆けだした。
「白和え」=望月やすこ撮影
子どもが写っていなくても、ママが困った瞬間を伝えることができる。「白和(しらあ)え」と題した写真は、長男が小学2年のときに服のポケットからティッシュを出さずに洗濯してしまったもの。バラバラになったティッシュが絡んだTシャツや靴下はまるで和(あ)え物のようだ。
「3歳男児抜け殻」=望月やすこ撮影
ズボンの裾に白いパンツが引っかかったまま干してある写真も反響があった。一緒に脱いだままの洗濯物をわざと分けずに洗って乾かした。何度言っても分けて洗濯かごに入れない3歳の次男を叱るためにあえてそうしたのだが、この光景を見せても本人は笑うばかりだったという。
「将来の夢 1年生」=望月やすこ撮影
写真の多くは子育て中のイライラしたときに撮ったものばかりだが、思わず胸が熱くなってシャッターを切った瞬間もある。今年4月、子ども部屋を整理していた際に見つけた長男の小学1年生と小学2年生の時のノート。道徳の授業の教材で自分の紹介をするページだ。
「将来の夢 2年生」=望月やすこ撮影
「いちばんうれしかったこと」の欄に1年生では「おとうとがうまれたこと」、2年生では「うんでくれたこと」と書いてあった。涙がじわりと浮かんだ。投稿後「泣ける。まじで」「感動した」などのコメントが相次いだ。「いつも俺ばかり怒られる」と不満を漏らしていた長男が弟の誕生の喜びを文章に表してくれていたことが何よりだった。「こんな瞬間があるからまた子育てをがんばろうという気持ちになれる」。望月さんは心からそう思った。(山本晋)