政務活動費領収書の閲覧状況
富山市議会などで相次ぎ不正取得が発覚している政務活動費(政活費)について、全国の道府県庁所在市と東京23区の計69市区の議会のうち、支出を裏付ける領収書をインターネット公開しているのは1割未満にとどまることが、朝日新聞の調査でわかった。5割近い議会で役所に足を運んでもすぐには閲覧できず、情報公開請求の手続きが必要だった。市民の監視の目が届きにくい実態が浮かんだ。
富山市議会では今年8月以降、政活費不正により市議11人が辞職。業者から入手した白紙領収書に架空の金額を書いていたほか、領収書の金額欄に数字を書き加えるなどしていた。領収書記載の業者を調べれば不正がわかる状態で、閲覧しただけで不自然なものもあった。富山県議会でも3人が辞職したほか、不正発覚は全国に広がり、山形県議が辞職するなどした。
領収書は政活費の支出を証明する重要な資料だ。ネット上で誰でも見られるようになれば議員の緊張感が高まるほか、店名も見られるため業者側も白紙領収書を渡しにくくなるなど、不正の抑止につながる。2014年に当時の兵庫県議が政活費不正をめぐり「号泣会見」を開いた後、全国各地で問題が発覚し、ネット公開の機運が徐々に高まった。
今回の調査は9月下旬に実施。…