2016年の参院選と東京都知事選関連の放送時間
番組によっては東京都知事選の3分の1――。今夏の参院選報道について、上智大学文学部新聞学科のチームがテレビ各局のニュース番組を調査した結果、報道の量が少なく、争点の掘り下げも足りないという課題が浮かび上がった。前東京都知事の辞職と都知事選の候補者選びに押される形で、参院選がかすんでしまったという。
調査したのは、同学科の教員4人を中心としたチーム。6月22日の公示日から7月10日の投開票日までの土日を除く平日の13日間、都内で見ることのできる主なニュース番組を録画して参院選報道の回数や時間、内容を8月初旬からほぼ1カ月かけて調べた。新聞報道も検証し、論文として来春に公表する。
NHKの「ニュース7」で項目を立てて参院選を取り上げたのは6日間で、7日間は参院選に触れなかった。民放の夕方のニュース番組では、フジテレビ4日間、日本テレビ5日間。一方、TBSは8日間、テレビ朝日は12日間だった。
担当した水島宏明教授は「単純比較はできないが、14年12月の衆院選で選挙期間中の平日9日間で、主な番組が連日何らかの形で選挙に触れていたことを考えると、今回は少ない」と語る。
背景として、欧州連合(EU)離脱を決めた英国の国民投票や、バングラデシュのテロ事件など選挙期間中に大きなニュースが相次いだことを挙げる。とりわけ、高額海外出張費などで批判を浴びた東京都の舛添要一前知事が公示直前の6月21日付で辞職し、候補者選びなど知事選報道の過熱があるという。
テレビ朝日の「スーパーJチャ…