熊本地震の被災地でステージに立つ「やうちブラザーズ」=8月6日、熊本県産山村
奇抜な衣装に方言の歌やトークで観客を笑いの渦に包む熊本県水俣市の3人組コミックバンド「やうちブラザーズ」が人気を集めている。結成から16年。水俣病患者家族の苦しみを乗り越えてきた明るい笑いを、熊本地震や東日本大震災の被災地にも届けてきた。
♪前は海、後ろはみかん山、えらいなとこれ住んどんない
4月の熊本地震で200戸以上が被害を受けた熊本県産山村の8月の夏祭り。上半身裸に派手なメイク、花飾りの奇抜な姿で登場した「やうちブラザーズ」は、水俣の風景をほうふつとさせるオリジナルの歌や、クワガタや耕運機をまねた一発芸、水俣弁の軽妙なトークで笑いを誘った。
「やうち」とは身内や親族を意味する方言。リーダーでボーカルの「はーちゃん」こと漁師で杉本家の長男肇さん(55)、コーラスやパフォーマンスなどをする「みーちゃん」こと四男実さん(50)、同じく「ひーちゃん」こと親戚の自営業、鴨川等さん(47)。
元々は仲間内の宴会芸だったが、今では水俣市を中心に県内外で年間70ステージをこなす人気ぶり。「人を楽しませ、喜んでもらえるのが楽しい」と鴨川さん。熊本地震後は、被災した益城町や阿蘇市などでも笑いを振りまいてきた。
3人は水俣市袋の茂道地区で生…