半世紀にわたる内戦の終結に向けた努力が評価され、ノーベル平和賞の受賞が決まった南米コロンビアのサントス大統領は9日、賞金800万スウェーデンクローナ(約9500万円)を、内戦の犠牲者支援のために寄付する考えを明らかにした。
ノーベル平和賞にコロンビア大統領 内戦終結へ尽力
サントス氏は9日、コロンビア西部チョコ県で、2002年に左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)の攻撃で市民70人以上が犠牲になった事件の生存者や遺族らと面会。「昨晩、家族と話し合い、犠牲者の皆さんが償われるために平和賞の賞金を寄付することを決めた」と語った。寄付の対象は、犠牲者のための基金やプログラムを想定しているという。
政府とFARCが9月に署名した和平合意は、FARCの政治参加や元戦闘員の刑の減免を定めた内容への批判から、今月2日の国民投票で反対が賛成を上回った。内容修正は難航が予想されるが、両者は停戦と協議継続を表明。サントス氏は9日の演説で「和平実現のために、粘り強く努力を続ける」と強調した。
平和賞の授賞式は12月10日にノルウェーのオスロで行われる。(ボゴタ=田村剛)