熊本地震の前震でなくなった荒牧不二人さん(当時84)の自宅前で、友人の西村治信さん(83)が故人をしのんでいた。地震後は早朝に片付けの手伝いに来ている=14日午前6時51分、熊本県益城町、福岡亜純撮影
熊本地震の発生から14日で半年となった。熊本、大分両県によると、同日までの被害状況は死者110人、被害を受けた家屋は計18万472棟。熊本県で一時は18万人を超えた避難者は188人に減り、ほとんどの避難所が今月末に閉鎖される見通し。一方で住宅に被害を受けながら仮設住宅などに移らず、自宅の軒先で暮らす人もいる。
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一連の地震による死者は、家屋の倒壊などによる直接死が50人。後の体調悪化などによる「災害関連死」は55人に上り、今も認定審査が続いている。6月の豪雨の際に、地震でゆるんだ地盤の崩落などで犠牲になった5人も熊本地震の死者と認められている。
被害家屋は熊本県が17万2566棟、大分県が7906棟で、うち全半壊が計3万9211棟。熊本県内に建設された応急仮設住宅は4052戸、自力でアパートなどを探して申請する「みなし仮設」は1万553戸になった。避難所は熊本県内7市町村に9カ所が残るが、今月末までに7カ所が閉鎖される見通し。
熊本県は14日、発生した災害廃棄物のうち、8月末までに48万3千トンを処理したと発表した。最終的な発生量は通常の3~4年分に相当する195万トンと推計しており、進捗(しんちょく)率は24・8%。2年以内での処理に向けて「計画通り」という。
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震度7の揺れが2度襲い、計23人が亡くなった熊本県益城町ではこの日、犠牲者を悼む黙禱(もくとう)や法要が営まれた。同町惣領(そうりょう)では早朝、カラオケ教室を開いている最中に亡くなった荒牧不二人さん(当時84)の倒壊した自宅を、60年来の友人という西村治信さん(83)が訪れ、そっと手を合わせた。荒牧さんの自宅は8月末から解体が始まった。西村さんは「ようやく解体が進み始めた。でも、まだまだこれからなんだろうね」と話した。(平井良和)