（１５日、箱根駅伝予選会）

中大の改革は実らなかった。昨冬４大会連続でシード権を逃し、大学側は現４年生に退部を勧告して意識改革を迫った。新監督に世界選手権元代表でＯＢの藤原正和氏（３５）を呼び寄せ、駅伝主将には１年生の舟津が就任。舟津は入学当初、上級生の意識の低さに「これでは箱根に行けるわけない」と驚いたという。原付きバイク禁止、門限徹底など生活面の改善から着手したが、届かなかった。

箱根駅伝、中大が予選敗退 最多８７回連続出場

一方で、駅伝人気の高まりで激しさを増す選手獲得競争に、伝統校の中大はなかなか踏み込めない。酒井正三郎学長（６６）は「箱根駅伝は本学にとって歴史そのもの。言葉にならないくらいの衝撃」と言うものの、スポーツ推薦入学、学費優遇の拡大については「大学スポーツとしての枠組みは崩せない。学内世論をつくっているところ」と語るにとどめた。

藤原監督は「実弾（お金）なしでは厳しいという部分は正直ある。大学側に働きかけはしているが、大きな組織で調整は大変。思っていたことの２０％くらいしかできていない。来年の見通しは今年以上に厳しい。茨の道です」と語った。（増田創至）