タイ国王死去の後、閉店が目立ったバンコクの歓楽街。日暮れ後に様子をのぞきに来る外国人観光客のほかは人出はまばらだった。店頭には「18日から再開」の貼り紙も=乗京真知撮影
タイの国王死去にともない、政府が呼びかける「娯楽自粛」の影響で、観光施設の休館やイベントの中止が続いている。喪に服す街を旅する際、外国人観光客が気をつけるべき点とは。
国王が死去した直後の13日夜、プラユット暫定首相はテレビ演説で、政府関係機関に1年間の服喪を求め、国民には30日間の娯楽や祝い事の自粛を呼びかけた。
観光はタイの基幹産業で、国内総生産(GDP)の約1割を占める。昨年は海外から約3千万人が訪れた。日本人の渡航先として、アジアでは中国、韓国、台湾に次ぐ人気だ。
■ムエタイは当面中止
交通機関や病院、銀行、ホテル、デパートなどの多くは営業を続けている。気をつけたいのは、観光スポットやスポーツ、音楽コンサート、仏教の年中行事などが予定通り行われるかどうかだ。
バンコクの観光地のなかでも特に人気が高い王宮周辺。国王のひつぎが置かれ、死去にともなう儀式が続いているため、一帯は参列者で混雑している。タイ国政府観光庁によると、王宮とエメラルド寺院(ワット・プラケオ)の建物には、少なくとも20日まで入れない。
ただ、王宮に近い国立博物館や全長約50メートルの涅槃(ねはん)仏で有名な寺「ワット・ポー」、チャオプラヤ川沿いの大仏塔が目印の寺「ワット・アルン」などは開いているという。国王関連の儀式は当分続く見通しで、地元の日本語ガイドは「交通規制などが予想されるため、見学の際は時間の余裕をもってほしい」と語る。
スポーツ観戦や音楽コンサートもスケジュールの確認が欠かせない。タイのサッカー協会は14日、日本人選手が多く所属するプロサッカーリーグ「トヨタ・タイ・リーグ」をシーズン途中で終了すると発表。ビーチサッカーやフットサルも含め、残りの試合は開かない。バンコクにある国内最高峰のムエタイ競技場「ルンピニ」と「ラチャダムヌン」も試合を当分見送る。海外のポップバンドやオーケストラのコンサートも相次いで中止になっている。
タイの風土や自然を体感できる…