運転席が無人のまま高速道路を走る自動運転トラック=Aether films提供
米コロラド州で、自動運転のトラックが5万2千個の缶ビールを配送した。運転席は無人のままで、120マイル(約190キロ)の高速道路を無事に走り切ったという。25日、トラックを走らせた米ベンチャー企業が発表した。
自動運転トラックを走らせた「オットー」は、今年8月、米自動配車サービスのウーバー・テクノロジーズが買収した。「自動運転」と側面に大きく書かれたトラックには、プロの運転手が運転席の後ろに乗って万が一に備えた。コロラド州交通局によると、同州には自動運転車に関する法律がないため、事故の際の責任や法的な問題などを州と協議したうえで走らせたという。
配送品を用意したのは、バドワイザーなどのブランドを持つビール会社、アンハイザー・ブッシュで、「初の自動運転トラックで配送しました」と書いた特別仕様の缶入りのバドワイザーを用意。届いたビールは州内で買えるという。
自動運転トラックは、運転手の負担軽減が期待されており、オットーは「高速道路を走りながら、休んだり、体を伸ばしたりもできるようになる」としている。一方で、雇用が失われるのではないかと、不安の声もある。(ラグナビーチ=宮地ゆう)