環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案をめぐり、衆院TPP特別委員会では27日午前、参考人質疑が始まった。同日午後には安倍晋三首相が出席する集中審議が行われ、衆院でのTPP審議は大詰めを迎えつつある。
参考人質疑は「農業」「食の安全」をテーマに行われた。野党側の参考人、鈴木宣弘・東大院教授(農業経済学)が「(TPPの)多くの懸念事項に対し、(政府から)納得のいく説明が得られているのかどうか、厳しく問われている」と指摘した。
承認案をめぐる特別委での審議は、与党は当初、28日の採決も辞さない構えを見せていたが、野党側が反発。与党内に月内採決を見送る動きも出たことで、28日午前に一般質疑を行うことまで与野党間で合意した。与野党間で採決時期をめぐる攻防が続いている。
民進党の山井和則国会対策委員長は27日午前の記者会見で、「まだまだ審議は深まっていない。さらに審議を充実させていくべきときなので、採決がいつかということを議論する時期ではない」と牽制(けんせい)した。