経営する豪華ホテルが本格開業し、あいさつに向かうトランプ氏(中央)。左はメラニア夫人、右は娘のイバンカさん=26日午後0時15分、ワシントン、矢木隆晴撮影
米大統領選の共和党候補のトランプ氏が経営する「トランプ・インターナショナル・ホテル」が26日、米ワシントンで正式に開業した。選挙戦で苦戦が伝えられるトランプ氏は遊説活動を一時離脱し、式典に参加。ホテルの外ではトランプ氏への抗議デモもあり、波乱の船出となった。
米大統領選2016
ホテルは19世紀に建てられた旧郵便局の建物を改築したもので、ホワイトハウスと米連邦議会を結ぶ通り沿いにある。トランプ氏は「ホテルは予算を下回り、予定より早く開業した。政府ではなかなか聞かない言葉だ」と自賛した。
米メディアでは、大統領選での敗北を見越して本業の宣伝をしているとの指摘もある。だが、女性へのわいせつ発言などを受け、肝心の「トランプブランド」の価値が下がっているとの報道が相次いでいる。
ネットで今週末の部屋を検索すると、1泊500ドル(約5万2千円)で空室があった。政治ニュースサイト「ポリティコ」は「5割近い値引きをしている」と指摘する。米ニューヨーク・タイムズ紙によると、マンハッタンのトランプ氏の名前を冠したアパートの住民約300人が、トランプ氏の名前を外すよう求める署名に応じたという。
トランプ氏のホテルを巡っては、ラスベガスのホテルの従業員がトランプ氏が労使交渉に応じないと批判している。この日のデモに参加したニーナ・ガードナーさん(56)は「選挙が無効だといい始めているトランプ氏にノーと言いたかった」と話した。(ワシントン=五十嵐大介)