これまでは、春運(春節<旧正月、今年は2月12日>期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)期間になると、鉄道も飛行機もチケットが手に入らず、人気観光都市への航空券やホテルの値段はうなぎ上りというのが一般的だった。しかし今年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、各地が「今いるところで旧正月を過ごそう」と呼びかけている。そんな中、中国国内の長距離旅行の各種予約にどのような影響がみられるだろうか。
一部のオンライン旅行関連プラットフォームを見てみたところ、春節期間中、北京を出発し、三亜、上海、昆明、成都などの人気観光都市に向かう航空券の価格が大幅に値下がりしており、一部路線は最低価格が正規運賃の1割まで低下した。最近、多くの省・自治区・直轄市が「今いるところで旧正月を過ごそう」と呼びかけると、国内の長距離旅行の問い合わせ件数は目に見えて減少し、航空券やホテルの中には大幅な値引きをするところが出てきた。
旅行サイト・携程の公共事務部の付茜茜マネージャーは、「当社のプラットフォームで確認できたデータによると、今年の春節期間には、全国の複数の地域で航空券価格が低下傾向にあり、これには一部の人気観光都市も含まれる。北京発・成都行きの航空券は低下幅が48%に達し、ほかの多くの地域の航空券価格も高速鉄道やそれ以外の鉄道の二等席よりもはるかに安くなっている」と述べた。
業界関係者によると、1年に及ぶ感染症対策の常態化を経て、中国の観光客はより安全で健康面のリスクのない移動スタイルを試そうと考えるようになり、海外旅行や長距離旅行には気軽に行けない状況の中、地元や周辺観光の人気が急速に高まっている。携程が最近発表した報告では、ユーザーの最新の検索行動を分析した結果、「今いるところで旧正月を過ごそう」が上昇率260%で急上昇し、人気検索ワードのうち「地元で出かける」が40%を占めたことがわかったという。
付さんは、「地元と周辺のこぢんまりした景色のよい観光地が春節旅行で一番人気があり、南方でも北方でもスキーと温泉の検索件数が多い」と述べた。
業界関係者は、「観光産業はより多くのモデル転換を遂げ、新たな業態を開拓して、複合的収入を増やす必要があるかもしれない。たとえば周辺やアウトドアの短距離旅行などだ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年1月25日