左から波乃久里子さん、市川春猿さん、水谷八重子さん
歌舞伎俳優の市川春猿(しゅんえん)さん(45)が2017年1月に劇団新派に入団することが決まり、27日、東京都内で会見した。入団に伴い、「河合(かわい)雪之丞(ゆきのじょう)」と改名。華やかな歌舞伎の女形として活躍してきた春猿さんは「新派の女形を勉強して後世の方たちにも伝えたい。退路を断って入団させて頂きたい」と述べた。
春猿さんは1988年に国立劇場歌舞伎俳優研修を修了。同年、三代目市川猿之助(現猿翁)さんに入門、市川春猿を名乗った。94年に猿翁さんの部屋子に。スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」の弟橘姫(おとたちばなひめ)などを当たり役としてきた。
河合雪之丞の「河合」は、新派の女形の名優、河合武雄(1877~1942年)から、「雪之丞」は猿翁さんから薦められた名だという。
2010年、春猿さんは新派公演に初参加。以来、出演を重ねるうちに新派の魅力にのめり込み、昨年暮れごろに入団を決意、猿翁さんから承諾を得たという。会見では、入団したい気持ちを伝えた時に猿翁さんが「大賛成だ」と言ってくれたと述べ、涙ぐんだ。入団にあたって「入学式の前日の小学1年生のようなウキウキワクワクという気持ちと、いろいろな課題や芸道に対する不安や厳しい気持ちも持っています」と話した。
新派の女優、波乃久里子さんは…