点火不良で機器内にガスがたまり、爆発したガス瞬間湯沸かし器(製品評価技術基盤機構提供)
瞬間湯沸かし器など、長期使用に伴う劣化で重大事故が起きる恐れがある9品目について、昨年度までの5年間で834件の事故が起きていたことが、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)の調査で分かった。一酸化炭素中毒などで計6人の死者が出ている。
9品目は、屋内式ガス瞬間湯沸かし器と屋内式ガス風呂釜(いずれも都市ガス用・プロパンガス用とも)▽石油給湯機▽石油風呂釜▽FF式石油温風暖房機▽ビルトイン式電気食器洗い機▽浴室用電気乾燥機。
NITEによると、これらの品目の製品で2011~15年度に発生した事故は834件。このうち使用期間が判明したのは767件で、65%にあたる499件が10年以上使用していた製品だった。
これらの品目の製品は、経年劣化による事故に注意が必要な「特定保守製品」に指定されており、長く使う場合、業者に点検を依頼する必要がある。09年4月以降に製造、輸入されたものについては、製造業者などに所有者情報を登録すると、点検時期に通知が届く「長期使用製品安全点検制度」の対象になっている。
だが、今年3月時点の同制度の登録率は38%にとどまるという。NITEは「火災や一酸化炭素中毒という重い被害につながる。登録制度も活用して保守点検を」と呼びかけている。