札幌市の軽費老人ホーム「琴寿園」(札幌市西区)で、暖房用ボイラーの煙突内から発がん性物質のアスベスト(石綿)が見つかったものの、暖房を止められずに使い続けていることがわかった。同市の施設では31日、新たに小中学校を含む8施設で石綿が確認された。
琴寿園は自炊が可能な60歳以上の高齢者が入所できる施設で、定員50人。現在の入所者44人の多くは80歳以上という。市は石綿が見つかった区民センターでは飛散を防ぐために暖房用ボイラーを停止し、家庭用ストーブを設置している。しかし琴寿園では「ストーブでは消し忘れなどで火災につながる恐れがある」として使用を続けることにした。周辺の大気から石綿は検出されなかったといい、市介護保険課は「他の施設との優先順位を考慮し、安全対策を行う」としている。
また、31日に新たに石綿が確認された市の施設は次の通り。豊平小(豊平区)月寒中(同)、西岡中(同)、東川下小(白石区)、市こどもの劇場(東区)、市豊平若者活動センター(豊平区)、市アカシア若者活動センター(東区)、さとらんどセンター(同)。(日比野容子)