集会の会場で話すアウンサンスーチー国家顧問兼外相=2日午前9時38分、東京都新宿区、北村玲奈撮影
来日したミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相は2日、東京都内のホテルで、日本に暮らすミャンマー人との集会に臨んだ。スーチー氏は「祖国の利益のために何ができるか考えてほしい」と、自らが実質的に率いる新政権下のミャンマーの発展に協力するよう呼びかけた。
スーチー氏が来日、新政権発足後初めて 2日に首脳会談
会場には、四半世紀に及んだ民主化運動を経て国家指導者になったスーチー氏との対面を心待ちにしたミャンマー人ら約1千人が詰めかけた。
スーチー氏は「新政権に加わりたい人は多いが、政府の役職がなくても国のために仕事はできる」と、留学生や日本で仕事をする人たちに知識や経験を生かすよう訴えた。
さらに、ミャンマー発展のためにやるべきことは多いとし、「他国の人よりも努力してこそ肩を並べられる」と述べた。一方で、経済成長には「外国からの投資が必要だ」とし、外資を引きつけるためには国民の資質を高めることが重要だとも語った。
一方、軍に国会の4分の1の議席を割り当てるなど軍の政治関与が残る今の制度についての質問には「真の民主主義を目指すが、国民和解を考慮し、話し合いによって段階を踏みながら実現していきたい」と述べ、憲法改正などには時間をかける姿勢を示した。
妻と一緒に話を聞きに来た都内在住のチョーピョーウィンさん(45)は、「スーチーさんは外遊が多いので、健康には気をつけてほしい」と話していた。(五十嵐誠)