韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が2日、内閣改造に踏み切った背景には、支援者をめぐるスキャンダルでまひ寸前に至った政権の切迫した事情がある。ただ、事実上の中立内閣の誕生で、朴氏の権限は大きく制限される見通しだ。改造で韓国世論が沈静化する可能性も低く、政情の混乱は続きそうだ。
朴大統領が内閣改造 新首相に盧政権時代の副首相を内定
大統領府は2日午前の段階で、新首相に内定した金秉準(キムビョンジュン)氏にどのような権限を与えるか明らかにしていない。韓国世論の非難は、不透明な朴氏の国政運営に集中しており、内政の大部分を金氏に任せ、自らは外交や国防分野に専念せざるを得ないとみられる。朴氏側近とされる閣僚がさらに更迭される可能性もある。
朴政権は3日前に大統領府幹部の更迭に踏み切ったばかり。秘書室長ら一部の後任も決まらない状態で内閣改造に踏み切った。世論を鎮める狙いからだが、幹部更迭後も大統領支持率は下落を続け、1桁台に転落した世論調査結果も出始めた。2日午後には、更迭されたばかりの大統領府元高官が検察の事情聴取を受ける予定だ。
また、金氏は野党系の人物だが…