イングランド銀行のカーニー総裁
英国の中央銀行のイングランド銀行(BOE)は3日、政策金利を過去最低の年0・25%に据え置くことを決めた。欧州連合(EU)からの離脱決定後のポンド安で観光客の需要が伸び、景気減速は回避されている。ただ、輸入物価の上昇など不安要素は多い。
カーニー総裁は3日の記者会見で、英経済が想定より底堅い点などに触れ、「今後の金融政策の立場は中立的だ」と説明した。先行きの懸念はポンド安による輸入物価の上昇だ。同日発表の経済見通しで、消費者物価上昇率は9月の1・0%から来年10~12月に2・7%になるとし、8月時点の見通し(2・0%)から大幅に引き上げた。
BOEは8月、政策金利を年0・5%から年0・25%に引き下げ、市場にお金を流す量的緩和の規模を600億ポンド上乗せして4350億ポンド(約55兆円)に拡大した。9月の金融政策委員会では、大半の委員が、大幅に景気が減速すれば年内の追加利下げを支持する考えを示していた。(ロンドン=寺西和男)