J1からの降格が決まり、肩を落として整列に向かう闘莉王④ら名古屋の選手たち=吉本美奈子撮影
Jリーグの「顔」の一つがJ2へ降格した。イングランド代表のリネカーを擁し1993年のJリーグ開幕から参加してきた名古屋が、ついにJ1から姿を消す。2010年にストイコビッチ監督でJ1初優勝を果たしてから、下降線をたどっていた。1年でのJ1復帰を目指すが、道のりは険しい。
4日夕方、クラブハウスから出てきた久米一正社長は突如、「今朝、辞任を申し入れた」と切り出した。佐々木真一副会長から承認されたという。チーム統括部の松本高徳部長は「え、聞いてないよ」と驚きを隠せなかった。
今季、名古屋はプロの指導経験のないクラブOBの小倉隆史氏をゼネラルマネジャー(GM)兼監督に起用した。親会社のトヨタ自動車から送り込まれた上層部が担ぎ上げ、久米社長の「生え抜きの監督を育てたい」という思惑とも一致した。
だが、5月4日の白星を最後にクラブの未勝利記録を更新し続け、そのまま8月にはジュロブスキー監督に交代した。
名古屋はJリーグ発足時から参加する「オリジナル10」の一つ。当初は下位の常連だった。1994年に旧ユーゴスラビア代表のストイコビッチが加入。95年には現イングランド1部アーセナルのベンゲル監督が指揮を執り、天皇杯で初優勝した。ストイコビッチを監督に迎え入れ、2010年にはJ1初優勝を果たした。だが、栄華はそこまでだった。
結果を残せば選手の年俸はつり…