当選を決め、万歳三唱をする藤本昭夫氏(中央)=大分県姫島村
61年ぶりに選挙戦となった大分県姫島村長選が6日、投開票され、現職の藤本昭夫氏(73)が、新顔で元NHK職員の藤本敏和氏(67)=いずれも無所属=を破り、9選を果たした。当日有権者数は1946人。投票率は88・13%(前回1955年は97・81%)だった。
昭夫氏は1199票、敏和氏は512票だった。
姫島村長選は55年の選挙戦を最後に16回無投票が続いていた。昭夫氏の父熊雄氏が60年から7回連続、死去後の84年から昭夫氏が8回連続の無投票で当選を重ねてきた。
今回は敏和氏が村政の刷新を掲げて立候補し、一騎打ちとなった。選挙ポスターは村に掲示条例がなく、両陣営とも作らなかった。
選挙戦で昭夫氏は32年間の実績を強調。県や国とのパイプを生かし、水産・観光による村づくりを続けると訴えた。多選批判には「村民が支持したから無投票が続いた」と反論した。
一方の敏和氏は「8期32年は長すぎる」などと訴えたが、及ばなかった。
村は瀬戸内海西端にある東西7キロ、南北4キロの姫島の全域。特産品はクルマエビやヒジキなど。(鈴木春香)