週末ごとにトランプ支持の旗を振る中国系移民のジェシカ・チャンさん(40)。「クリントン氏がEメールを消去したことが一番問題だ。腐敗している」=5日午後、ニューハンプシャー州マンチェスター、矢木隆晴撮影
8日に投開票を迎える米大統領選挙を目前に控え、有権者は何を思うのか。クリントン、トランプ両候補の集会で支持する理由、しない理由を聞いた。
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5日、激戦地ニューハンプシャー州マンチェスターでは両陣営の応援活動が活発化していた。幹線道路の中央分離帯で5人のトランプ支持者が道行く車に旗を振る。自主的に週末ごとに集まっている。半数ほどの車がクラクションを鳴らし、支持を表明していた。
中国系移民のジェシカ・チャンさん(40)「ヒラリー氏の腐敗が一番の問題。不法な移民はこの国から出るべきだ」と話す。
一方、町の中心部で活動するのはクリントン支持者約10人。男性は「トランプ氏は危険で差別的偏見を持つ」と批判する。
トランプには変化を期待する声が多く聞かれた。ミシガン州グランドラピッズでの集会では、工作機械メーカーに勤めるクリストファー・オスタシュさん(54)が「オバマ政権は製造業を破壊させた。トランプ氏はビジネスマンだから、アメリカに仕事を取り戻してくれる」と期待する。
ペンシルベニア州ハーシーでは退役軍人のマイケル・タウンセンドさん(65)は「共和党からも嫌われるのは既存の体制に本当の変化をもたらそうとしているからだ」と語気を強める。
一方、クリントン氏の集会には共和党支持者の姿も見られた。アリゾナ州フェニックスの集会に参加したヒスパニック系のハイロ・アセベドさん(33)は「移民や女性への発言に嫌悪感を抱く」とクリントン氏に投票した。
いまだどちらに投票するのか迷う人も多い。フロリダ州デードシティのクリントン氏の集会に来た大学生、プリスマ・アルベルトさん(18)は「今若者がいい仕事を見つけるのは本当に難しい。未来はそれほど明るいように見えない。問題の多い2人の候補からよりましな方を選びたい」と話した。(矢木隆晴)