窓用断熱フィルムの表示に根拠がないとして、消費者庁から表示の差し止めなどを求める措置命令を受けた製造会社「翠光トップライン」(東京都)と子会社の「ジェイトップライン」が国を相手取り、命令の取り消しと約3億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、東京地裁であった。岩井伸晃裁判長は「効果や性能を裏付ける資料がない」として、両社の主張を退けた。
判決によると、両社は「シーグフィルム」という透明なフィルムの商品を「窓に貼るだけで冷暖房効率が30~40%アップする」などと表示して販売。しかし消費者庁は、効果や性能に根拠がなく、表示は景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、昨年2月に措置命令を出した。
判決は、外部の調査機関による実験結果など、両社が提出した資料について「学術界や産業界で一般的に認められた方法の実験ではなく、根拠となる資料には当たらない」と判断。消費者庁の処分は妥当だと結論づけた。
判決を受け、両社は「商品の効果が無いと誤解を与えるものであり、到底承服しかねる」とコメントし、控訴する方針。消費者庁は「国の主張を裁判所に理解して頂けた結果と考えています」としている。