日本選手権で2種目を制覇した木村敬一選手。「リオでたくさん応援してもらったから、国内ではいいレースを見せたかった」=13日、福岡市
リオデジャネイロ・パラリンピックで日本選手最多の四つのメダルを獲得した競泳(視覚障害)の木村敬一選手(26)が、福岡市で12、13日あった日本選手権に出場し、2種目を制した。リオの記録を上回った種目もあり、「一日ずつできることを積み重ねたい」と話した。
日本選手権は、50メートル自由形と100メートル平泳ぎに出場。平泳ぎはリオを0・19秒上回る1分12秒69でゴールし、「びっくりした」。
3度目の出場だったパラリンピックでは、期待された金メダルに届かず、「この悔いは死ぬまで残る」と涙した。期間中、なかなか眠れず、食事ものどを通らずに体調不良に苦しんだ。体重も一気に落ちた。それでも銀2、銅2の計4個のメダルを獲得。帰国後、五輪選手と一緒に参加したパレードなどを通じ「たくさんの人に泳いでいる姿を見てもらえたと実感でき、結果を受け入れられるようになってきた」と話す。
野口智博コーチは「リオは悔しい結果だったが、改めて学べたことも多かった」。帰国後はメンタルトレーニングを始め、来年の世界選手権に向けて高地トレーニングにも初めて取り組むという。木村選手は「まだ『東京パラリンピックを目指します』と宣言するには勇気がいる。まずは趣味の筋トレで体を作り直します」と話した。