君津市の「濃溝の滝」。3月と9月の晴れの日の早朝、横を向いたハート形が浮かび上がる=伊原弘晃さん撮影
幻想的な風景がツイッターなどのSNSで話題になり、突然観光地化する。そんな現象が千葉県の内房地域で続いている。木更津市の江川海岸は絶景で知られるボリビアのウユニ塩湖の「日本版」とアップされ、大勢の人が集まりだした。潮干狩りの時期以外は人気のない所だけに関係者も困惑している。
11月3日、夕暮れ時の江川海岸。潮干狩り用の駐車場には大型観光バス2台と数十台の車が並んでいた。岸壁は黒山の人だかり。200人以上はいそうだ。
お目当ては、海中から林立する電柱と海面に映る風景、そして遠くに見える工業地帯が醸し出す独特の風景。訪れた人はみんな、カメラやスマートフォンで絶景を狙った。
川崎市から来た20代のカップルは「こんな風景が車で1時間のところにある。ドライブがてら来ました。良い写真が撮れたらフェイスブックにアップしたい」。東京都内から来た20代のカップルは「ネットで見た景色が美しかったので。不思議な風景ですよね」と話した。大手観光会社のツアーコースにもなっているという。
江川海岸は春先から夏場まで潮干狩り客でにぎわう。電柱は沖にある密漁を監視する小屋に送電するためのものだが、いまは使われていない。「珍風景」として知られてはいたが、これほど人が集まるようになったのは、昨年暮れごろから「日本のウユニ塩湖」として美しい写真がネット上で紹介されてからだ。
「ジブリの映画のワンシーンに…