PL学園の硬式野球部グラウンド。多くのプロ選手がここから巣立っていった=今年7月、大阪府富田林市
休部となったPL学園高校(大阪府富田林市)硬式野球部の3年生12人が今月、引退試合を終えた。満員の客席、吹奏楽での応援歌、勝って口ずさんだ校歌――。最後は「幸せでした」と笑顔だった。
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11月3日、硬式野球部のグラウンドは温かい歓声に包まれた。
例年なら硬式野球部員が分かれて対戦するが、今年は3年生が12人だけのため、軟式野球部が対戦相手を引き受けてくれ、軟式球で七回までの特別ルールで行われた。
客席には保護者やOBらがいっぱい。女子生徒がアナウンスで盛り上げ、赤のジャンパーでそろえた吹奏楽部員らの奏でる応援歌が秋空に響いた。「ブラスバンドが鳴る中での試合は初めて。やっぱりいい!」と4番藤原光希君(18)。谷口大虎(だいご)君(18)は「最後に楽しくて幸せな思い出を作れた」と語った。
この夏の大阪大会初戦前日の練習で左大腿(だいたい)骨を骨折した河野友哉君(17)を除く11人が11番打者までの打線を組み、9人が交代で守備についた。
「泣いても笑っても最終回」とのアナウンスで客席から惜しむ声が上がった七回。「ファーストならいける」と河野君も守備につき、6―4で勝利。「グラウンドで初めて」という校歌を、手拍子の中で歌った。河野君は、「みんなと一緒に最後に試合ができてよかった」と話した。
最後の試合を土井塁人君(19…