ソフトバンク・チーム・ジャパンの(左から)吉田雄悟選手、早福和彦総監督、笠谷勇希選手=11日、東京都港区
世界最高峰のヨットレース・アメリカ杯の本戦に先立つワールドシリーズ(WS)最終戦が19日、福岡市で始まる。アジアでの開催は初めて。15年ぶりに参戦している日本チームは地元での優勝をめざす。
特集:ヨット・アメリカズカップ
「これまでの集大成。培ったチーム力を発揮すれば成績は自然についてくる」。日本代表の「ソフトバンク・チーム・ジャパン」を率いる早福和彦総監督(50)は自信を見せる。
WSは昨年7月にスタート。早福総監督は「今までのヨットのイメージをくつがえすスピード感。セールは飛行機の翼のような硬い素材で、加速すると時速60~70キロになる」。チームは現在、総合4位につける。
当初、日本人クルーは早福総監督のみだったが、今年1月に2人の日本人クルーが加わった。WS終了後に開かれる次の予選大会から本格的に乗船する予定で、福岡大会に同行する。
小型ヨットが専門の吉田雄悟選手(33)は2012年ロンドン五輪に出場。「165年続く大会の重みを感じる。これまでのヨット経験は生かせる」と意気込む。ボート競技で国内外の大会に出場してきた笠谷勇希選手(27)は「外国人選手に負けないぐらいフィジカル面を強化したい」と話す。
早福総監督は「多国籍なチームだが目標はシンプル、アメリカ杯で勝つことだ。日本を代表して戦うことに格別な思いがある」と力を込める。
アメリカ杯はWSを含む3予選を勝ち抜いた1チームが、前回大会の優勝チームと一騎打ちする。本戦は来年6月、英領バミューダ諸島で開かれる。(向井宏樹)