会見する東電福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏プレジデント(左端)=東電本社
「なぜ手動停止したのか」「水漏れがないとどう確認したのか」
福島第二原発、燃料プールの冷却再開 地震で一時停止
地震・津波の情報をタイムラインで
インフラリスク―全国の現状は
東電が22日午前9時から東京都内の本社で開いた会見では、福島第一原発の汚染水をくみ出す設備を停止した点に質問が相次いだ。
福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏プレジデントは「一番大きなリスクは、たまった汚染水が津波で漏れて環境を汚染させることだ」と説明。津波警報に伴い、低い場所にいる作業員に退避命令を出したため、海に近い原子炉建屋やタービン建屋付近を点検できていないことを明らかにし、「ちょっとまずいが、だからこそ停止した。低い所は建物の中が多く、外に漏れていないことの確認はすぐにできる」と強調した。
福島第二の冷却ポンプについても「自動停止装置が正常に作動した結果」とした。
地震によるこれらの大規模な設備の停止は「東日本大震災後、福島第一、福島第二、柏崎刈羽原発では初めてかもしれない」とし、「津波警報が消えたら海の近くの設備が壊れていないか確認する」と述べた。
広瀬直己社長はこの日、新潟県で米山隆一知事との面談を予定し、東京を離れていたが、急きょキャンセルして本社に向かった。地元への情報提供を指示したといい、増田氏は「朝から社長としっかり連絡を取り合っている」と述べた。