多くの人たちが傍聴に詰めかけた衆院憲法審査会=24日午前9時52分、国会、岩下毅撮影
衆院憲法審査会は24日、憲法によって国家権力の行使を抑制する「立憲主義」を中心テーマに討議が行われた。民進党の枝野幸男氏は、自民党が2012年にまとめた憲法改正草案について「立憲主義に反し、憲法を統治の道具であるかのごとく考えている」と批判し、「草案が立憲主義を踏まえたものと(自民党が)認識しているなら建設的な議論は困難だ」と述べた。
共産党の大平喜信氏は憲法9条の解釈改憲をもとにした安全保障関連法を取り上げ、「安保法制ほど立憲主義を踏みにじったものはない」。社民党の照屋寛徳氏は「安倍内閣は反立憲主義の政治へと暴走し続けている」と指摘した。
一方、自民党の中谷元氏は「自民党の改憲草案は立憲主義を否定するものではない」「(安保法が)立憲主義に反すると批判される方は現政権の活動を批判しているだけ」と反論した。
公明党の斉藤鉄夫氏は地球環境問題を例に「新しい基本的人権の保障についても考える必要がある」。日本維新の会の足立康史氏は「安保法が立憲主義にもとるというレッテル貼りが繰り返されることが懸念される」と述べ、民進党など野党の主張に疑問を呈した。