サイバー攻撃を受けた防衛省=28日午前10時、東京・市谷、朝日新聞社ヘリから、金川雄策撮影
防衛省・自衛隊の情報通信システムがサイバー攻撃を受け、インターネットと接続する一部の回線へ侵入されたことが、防衛省関係者への取材で分かった。自衛隊の指揮命令などに関わる通信には外部と切り離した専用回線を使っているが、同省が調査と再発防止策の検討を進めている。
同省関係者によると、防衛省外のネットワークともつながっている防衛医科大(埼玉県)のパソコンがまず侵入を受け、そこを通じて今年9月ごろ、防衛省・自衛隊の回線へサイバー攻撃があった。陸上自衛隊の情報が狙われた疑いがあるが、情報の流出は確認されていないという。
自衛隊の情報通信システムには、インターネットに接続可能な「オープン系」と、部隊の指揮通信など秘密の情報を取り扱うためインターネットなど外部の回線と遮断した「クローズ系」の2種類がある。今回は、「オープン系」への攻撃だったとみられる。
自衛隊には2014年3月に発足し、サイバー攻撃を24時間監視する「サイバー防衛隊」がある。防衛医大や防衛大といった教育機関を含めた監視体制が十分だったか、検討を進める。(福井悠介)