日銀の最終損益と保有国債の利回り
日本銀行が2016年度上半期決算(4~9月)で4年ぶりの最終赤字となった。円高で外貨建て資産の価値が目減りした影響が大きく、将来の金利上昇に備えた引当金もかさんだ。最近の円安傾向もあり、通期決算は黒字の可能性があるが、赤字のリスクを抱えた状況は今後も続く。
日銀が28日発表した。純損益にあたる当期剰余金は2002億円の損失で、上半期では12年度以来の赤字。前年同期の6288億円の黒字から大きく悪化した。大規模緩和とは別に持つ外貨建て資産の為替差損は6976億円だった。9月末の円相場は1ドル=101円台と3月末より10円以上円高ドル安で、円換算での資産価値が目減りした。
昨年度下半期から積み立てている緩和縮小に備えた引当金は2418億円を計上。日銀には民間銀行などが多額のお金を預けており、今は預金金利は低い。しかし将来緩和を縮小した時に金利を上げれば利払い負担が増える。緩和拡大で日銀に預けられるお金は増えており、将来の巨額の利払いに備える必要がある。
日銀は大規模緩和で大量の国債…
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