主要企業100社を対象に朝日新聞が実施した景気アンケートで、経済の好循環が生まれていると思うか見解を聞いたところ、最多は「生まれていない」で33社。16社は「生まれたが、なくなりつつある」。「生まれている」は9社にとどまった。
各社トップのインタビュー、特集ページで
景気は「足踏み状態」63社 主要100社アンケート
消費低迷の最大理由は「将来への不安」 100社調査
アルプス電気の栗山年弘社長は、「昨年までは企業収益や雇用の改善などの効果が見られたが、今年は好循環は失速気味」とみる。野村ホールディングスの尾崎哲・グループ最高執行責任者は、「(首相)就任直後からの円安株高による企業業績の向上、マインド改善で好循環が生じかけたが、当初より円高株安に戻ることでメリットが失われ始めている」と金融市場の変化を理由に挙げた。「完全ではないが、(規制や円高など)『6重苦』のいくつかを解消したのは評価されるべきだ」(三井不動産の佐藤雅敏常務)という声もあったが厳しい意見が目立った。
成長戦略の実行力不足を指摘する声も少なくなかった。東洋紡の大田康雄執行役員は「方向性はいいが法案化、制度化したときにしっかりと改革に結びつけてほしい」と指摘。セコムの中山泰男社長も「成長戦略が不十分で、持続的に好循環ができる環境になっていない」とみる。「成長戦略に注力しないと、金融と財政だけでは限界にきている」(アサヒグループホールディングスの小路明善社長)との声もあった。
設備投資や賃上げの不十分さを挙げるのはロイヤルホールディングスの黒須康宏社長。「企業の設備投資も期待したほどはなく、実質賃金も伸びが足りなかった。先行きの不安感もまだまだ国内にある」と話す。
一方、好循環が「今後、生まれてくる」と答えた社も17あった。三菱UFJフィナンシャル・グループの黒田忠司専務は「成長戦略や社会保障制度改革を加速させていくことで、徐々に好循環の回転を促していくことは可能」とみる。
安倍政権が目標とする20年ご…