75歳以上が支払う公的医療保険の保険料について、厚生労働省は軽減している特例を来年度から一部廃止する方針を固めた。中程度の所得層の世帯が対象。75歳になるまで夫や子どもらに扶養されていた人に対する軽減特例は2018年度までに2段階で全廃する。特例廃止の対象は、延べ300万人以上になる。
30日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で提案し、与党と調整して年内に決定する。
75歳以上が加入する公的医療保険は08年度に始まった後期高齢者医療制度で、保険料には定額分と所得比例分がある。低・中所得層(年金だけの収入なら夫が年約211万円未満、妻が年80万円以下の夫婦世帯)は、それぞれを特例で軽減している。さらに、被扶養者への優遇がある医療保険制度から後期高齢者医療制度に移って保険料が急増することを避けるため、扶養されていた高齢者らの保険料を軽減する特例もある。
年金収入が年153万~211万円の中所得層の約160万人については、所得比例分を5割軽減している特例を来年度に廃止する。例えば年金収入が年211万円なら、毎月の保険料は全国平均で4090円から6290円に上がる。
75歳になるまで扶養されてい…