「関西弁が大好き」と話すマルティナ・ポジウィオさん=ニコラウス・コペルニクス大提供
日本とポーランドで書道を通じた交流が30年近く続いている。この秋も、日本の書家がポーランドの大学で学生に教えた。「めっちゃ好きやねん」「魂」「忍之一字(にんのいちじ)」――。学生たちは、関西弁の言葉や難しい四字熟語も選んで筆を運び、日本文化への理解を深めている。
「筆はこのように持ちます」「最後はこうやって払ってください」。10月中旬、ポーランド北部の都市トルンにあるニコラウス・コペルニクス大言語学部日本学科。東京・吉祥寺の書家、中村雪子さん(69)の指導で半紙に向かう26人のポーランド人学生の姿があった。学生は日本語のサイトを参考に書きたい言葉を考え、中村さんらが当日書いた手本を見て筆を運ぶ。
講座の主催は民間団体「国際書道文化発展協議会」(東京都江東区)。岡田伸吉事務局長(60)が以前に勤務していた情報関連会社の国際交流行事として1988年に始めた。ちょうどこの頃、ポーランドでワレサ氏率いる自主管理労組「連帯」による民主化の動きが盛んだったことと、同国が東欧でも親日的とされていたことが理由だ。当時の在日ポーランド大使館の官僚らが協力し、最初はワルシャワ大などで始まり、2012年からニコラウス・コペルニクス大に移った。
3年生のマルティナ・ポジウィ…