新潟市の小学4年の男子児童が、担任の40代男性教諭から名前に「菌」をつけて呼ばれ学校を休んでいる問題で、同市教育委員会は2日記者会見し、担任の発言と、この児童が別の児童からいじめを受けていたことを認めて謝罪した。
原発避難の小4に担任が「菌」発言 いじめ相談の5日後
「菌」「賠償金あるだろ」原発避難先でいじめ 生徒手記
市教委によると、担任は11月22日、教室で家庭連絡ノートを児童に返す際、他の児童の前で「はい、○○キンさん」と声をかけた。男子児童は東京電力福島第一原発事故の影響で、新潟市に自主避難している。この日は早朝に福島県で最大震度5弱の地震が起きた日だった。
担任は、新潟県出身で動画投稿サイト「ユーチューブ」で人気のHIKAKIN(ヒカキン)さんなどに引っかけて「響きの良さなどで安易に使ってしまった」などと説明しているという。しかし、男子児童はこの5日前、「名前に『菌』をつけて呼ばれている」と担任に相談したばかり。市教委は、担任が6月にも「他の児童にばい菌扱いされている」と相談されていたことを明かし、「いじめを担任自身が知っている中で、このような言葉を使うのは不用意で不適切」とした。
児童は「もう学校に行けない。担任とも会いたくない。裏切られた気持ちだ」と話しているという。市教委はさらに調査を続け、学校側は週明けにも他の児童や保護者に経緯を説明するという。
一方、群馬県教委は2日、東日本大震災で県内に避難する小中高校生199人に調査した結果、今年度、1人が同級生から震災に絡んだ悪口を言われていたと発表した。個人が特定されたり、子どもが被害を思い起こしたりする恐れがあるなどとして、学年や性別、地域などは明らかにしていない。現在は悪口はなくなり、登校しているという。(永田篤史)