大阪府は1日、政務活動費を私的に流用して先月辞職した元共産党府議に対し、冬のボーナス(期末手当)の支給を一時差し止める方針を通告した。条例上は支払う決まりだが、府議会事務局は府民感情を考慮し、異例の手続きを取ることにした。元府議は通告に対し、辞退届を提出した。
白紙領収書で政活費288万円 共産の大阪府議が辞職願
対象は朽原亮(くちはらまこと)・元共産党府議(56)。朽原元府議は2011年度からの5年間、白紙領収書を使って政活費約221万円を私的流用したとして11月4日に辞職。白紙領収書を使った政活費を全額返還した。
府の議員報酬条例では、冬のボーナスの支給基準日12月1日の前の1カ月以内に辞めた場合、8割を支給すると規定。朽原元府議には9日に約179万円が支給される予定だった。
ただ、同条例では支給方法は常勤職員に倣うとされ、職員の期末手当を定めた別の条例には「犯罪があると思料するに至った場合」は支給を一時差し止められると定める。松井一郎知事は、朽原氏を詐欺容疑などで刑事告訴する方針で、府議会事務局はこの規定を援用し、異例の一時差し止め手続きを決めた。