病院に突っ込んだタクシー=3日午後7時13分、福岡市博多区、金子淳撮影
3日午後5時ごろ、福岡市博多区大博町の原三信(はらさんしん)病院にタクシーが突っ込み、病院内にいたとみられる人が相次いではねられた。福岡県警によると、男性2人と女性1人の計3人が頭などを強く打って死亡し、男女7人がけがを負った。運転手にけがはなかった。
病院内に車、タクシー運転手を逮捕 過失運転致傷の疑い
死亡したのは、福岡市博多区豊1丁目の花田盛幸さん(44)と妻美佐代さん(44)、同区東比恵4丁目の遠藤一行さん(53)。
県警は、運転していた個人タクシー運転手の松岡龍生(たつお)容疑者(64)=福岡市西区小戸4丁目=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕した。容疑を過失運転致死傷に切り替えて調べる。「ブレーキを踏んだが、止まらなかった。ギアを変えてエンジンブレーキをかけようとしたが減速せず、病院に突っ込んでしまった」と供述しているといい、県警は事故原因を慎重に調べる。呼気からアルコールは検出されなかった。
原三信病院によると、タクシーが突っ込んだのは病院の東館。1階玄関横のガラスを突き破ってラウンジに突っ込み、中にいた人をはねたという。同病院の医師が男性2人の死亡を確認したという。
博多署の説明では、現場の道路はクランク状に折れ曲がっており、タクシーは病院本館側へ直角に曲がる道路を左折することなく、直進する形で東館の建物に突っ込んだとみられる。客は乗っていなかった。
病院はJR博多駅の北西約2キロの博多港近くにある。病院のウェブサイトによると、多くの診療科を備えた359床の総合病院で、救急指定病院にも認定されている。1600年に黒田長政に召し抱えられた医者が起源で、代々「原三信」を名乗り、13代原三信が1902年に九州初の私立病院として創設したとしている。