シャープの戴正呉社長=11月1日、東京都千代田区、北村玲奈撮影
シャープの戴正呉(たいせいご)社長は5日、いま東証2部に上場する同社株が東証1部に再指定されれば、社長をやめる意向を示した。後任は日本人にする考えで、社外からの登用を含めて人材を探すという。
特集:シャープ
戴氏は記者団に「東証1部に復帰したら私は台湾に帰る。後任は日本人から選びたい」と語った。早期再建への強い意志を示し、社内の士気を高める狙いとみられる。
シャープは2016年3月期末に、資産をすべて売っても負債が返せない債務超過に陥り、東証の規定で8月から2部に指定替えになった。その後、8月中旬に鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾)が出資したことで債務超過は解消された。ただ、東証によると、1部に戻るには純資産などの財務状況に加え、安定的に利益をあげる基盤があるか、コーポレートガバナンス(企業統治)の仕組みが機能しているかなども審査される。審査には少なくとも3カ月かかるという。
シャープは遅くとも19年3月末までに東証1部に戻る目標を掲げており、実現には今後1年半程度で業績を急回復させる必要がある。戴氏は鴻海出身。鴻海グループの副総裁を務めており、シャープへの出資が完了した8月にシャープ社長に就任した。(新宅あゆみ)