事故現場付近のタクシーの動き
福岡市博多区の原三信(はらさんしん)病院に3日、タクシーが突っ込み3人が死亡、7人が負傷した事故で、タクシーが直前にハンドルを右に切っていたことが福岡県警への取材で分かった。現場にブレーキ痕はなく、県警は駐車車両を避けようと、速度が出たまま進路を変えた可能性があるとみている。
県警は5日、個人タクシー運転手の松岡龍生容疑者(64)=福岡市西区=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で送検した。けがをした7人については、23~59歳の男性4人と女性3人と発表した。いずれも建物内にいたという。このうち福岡県小郡市の女性(23)が意識不明の重体で、6人は軽傷。
県警によると、タクシーは市道を直進し、病院の約50メートル手前の交差点を通過。クランク状になった道路の突き当たりにある病院東館1階のラウンジに突っ込んだ。当時、進行方向の左側には車2台が停車していたが、いずれもタクシーが接触した痕はなかったという。一方、建物の数メートル手前右側にあった道路標識は根元から折れ、右側の縁石にも接触痕があった。
松岡容疑者は「ブレーキが利かず、(停車車両を)避けようとハンドルを切った」と説明。また、死亡した3人は建物の外にいてはねられたことも分かった。県警は松岡容疑者が直前に進路を変えて3人をはね、そのままラウンジに突っ込んだとみている。
タクシーは事故前、病院から約…