三重県鳥羽市のトラブルの経緯
三重県鳥羽市が2006年、市の土地取引に再三抗議をしてきた男の求めに応じ、男の土地を555万円で購入していたことがわかった。土地は約10年間使われず塩漬けされている。木田久主一(くすいち)市長(68)は「要求をのめば長年の懸案を解決できると思った。苦渋の決断だったが、今となっては買うべきではなかった」と話している。
男は介護事業所経営の藤原長治被告(64)。市のごみ処理のトラブルを口実に、木下憲一副市長(66)から現金200万円を昨年12月に脅し取ったなどとして、恐喝と恐喝未遂の罪で起訴され、津地裁で公判が続いている。
朝日新聞が情報公開請求で入手した内部文書などによると、藤原被告は出身地の鳥羽市・神島で市が行った土地取引について「一部の地権者が優遇されている」などと、木田市長が就任する前の1988年以降、抗議を続けてきた。市が問題を決着させようとした06年8月1日には、木田市長や当時担当課長だった木下副市長らと市長室で面会。市の解決策に「絶対ダメだ」と反対する一方、自分の土地の購入や市有地の貸し付けを求めた。
これに対し、市は市役所の近く…