7日、強い地震が襲ったインドネシア・アチェ州で、がれきの上にしゃがみ込む少年=AP
米地質調査所(USGS)によると、7日午前5時3分(日本時間午前7時3分)ごろ、インドネシア・スマトラ島北部アチェ州の沿岸部を震源とするマグニチュード(M)6・5の地震が発生した。インドネシア国家防災庁(BNPB)の発表によると、死者数は94人で、610人以上が重軽傷を負った。倒壊した家屋などの下敷きになったままの住民がまだいるとみられ、死者数がさらに増える恐れがある。
インドネシア北部でM6.5の地震 25人以上死亡か
震源地はアチェ州の州都バンダアチェから南東に車で2時間ほど行った沿岸部。震源の深さは15キロで津波は観測されなかった。
BNPBによると、震源地に近い沿岸部のピディエ・ジャヤ地区で被害が最も大きく、この地区を中心に、これまでに住宅や商店、モスク(イスラム礼拝所)、病院、学校の約280件で建物倒壊などの被害を確認した。
捜索当局のほか、インドネシア国軍も隊員約740人を現地に派遣し、重機などでがれきの下に閉じ込められている生存者の捜索を続けている。ジョコ大統領が8日にも被災地を直接視察するとの情報がある。
バンダアチェは2004年12月に発生したスマトラ沖大地震・津波で壊滅的な被害を受け、20万人以上が犠牲になった。AP通信の取材に答えた住民男性は「揺れは04年の時よりも強く感じた。また津波が来るのではないかと思って恐ろしかった」と話した。(シンガポール=都留悦史)