日本大使館主催の会見で、報道陣の質問に答える大隅良典さん(右)と妻の万里子さん=8日午後、ストックホルム、川村直子撮影
ノーベル医学生理学賞を受賞する大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)は8日午後(日本時間同日夜)、妻の万里子さん(69)とともに日本大使館主催の記者会見に臨んだ。前日のカロリンスカ医科大での記念講演について「80点」と自己採点。「私らしい講演ができた」と笑顔を見せた。
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記念講演では、研究人生を振り返りながら今回の受賞につながった細胞のオートファジー(自食作用)についてスライドを使いながら英語で解説した。8日の記者会見で大隅さんは「たくさんのスウェーデンの方、ノーベル財団の方などから『とてもよかったよ』と言ってもらい、正直ほっとしている」と感想を述べた。
万里子さんは、10日の授賞式には新調した着物で出席するという。「できれば地味なものがいいが、世界から注目されるからということで、少し華やかなものを新調した」。授賞式では「国王や皆様の前で転ばないようにしたい。常に心配は大隅のほうにある」と夫を気遣った。
また、会見前の8日午前、大隅さんは代表取材に応じた。記念講演が終わった後に友人らとホテルの自室でワイン2本を空けたと言い、「まだちょっと飲んだくれるという機会にはなっていませんけど」と笑った。日本への土産に、チョコレートを150缶買ったことも明らかにした。(ストックホルム=南宏美、松尾一郎)